ちょくちょく話題になるVIX(恐怖指数)について、S&P500連動のインデックスとの間にはどんな関係があるのか、VIXの数字面でマクロでみるとどうなのか知らないので、TradingViewで比較してみました。
比較対象はよく買われるインデックス:IVVを利用していますが、IVVを選んだ理由としては特になく、何となく株価インデックスで見たらどうなのかなと思った程度です。
このデータは個人的に何度かTradingViewで見た事があるな、という実感があり、という事は見直したくなる&誰かが見たいかもしれないという事か、と思いましたので、自分のメモ代わりにブログに残しておきます。
下記クリックで好きな項目へ移動
トータル
まず期間トータルでは以下です。

ローソク足で表示されているのがVIXで、黄色の線で描かれているのがIVVです。
この図では月足なので、更に詳細を見ていくと月の間での上下はあるとは思いますが、いくつか見て取れるトピックがありますので挙げていきます。
リーマンショック時
とてもひどい数字に見えます。
まず、VIXの最大値は96を超えています。値としては96.4という数字で驚異的です。
そして半年間VIXの月間最大値が50オーバーの状態を保ち続けていますね。
株価の底値よりも前にVIXはましにはなっていますが、とはいえ、半年間50オーバーというのは驚異的です・・
株価がもとに戻り始めた時もまだ50台を継続しています。
そしてVIXの月間最高値が50を下回った時以降で株価の回復感が出てきているなと感じます。
つまり、VIX視点で見ると、リーマン級とは、
- VIXが90くらいまで行く
- 半年間ほど月間最高値が50を超える
- 株価が戻り始めた時でもまだ50を超えている
- 月間最高値が50を下回ったら株価の回復感が出てくる
と見えます。
VIXが40を超えるレベルの時
次にリーマンまで行かずとも、値が大きかったタイミングについて見ていきますが、50を超えるとなると母数が少ないので、40を超えるレベルで見てみます。
時期としては2001年9月、2002年7月、2010年5月、2015年8月、2018年2月などが該当しますね。
40を超える時には確かに株価も下落していますし、その時は、翌月に株価の安値をさらに更新しているように見えます。
なので、40を超えた時には、翌月でも更に株価は下がる、と思ったほうがよさそうです。
また、回復には数か月を要していますが、逆に数か月程度で株価は戻っている、とも見えます。
VIXが30を超えるレベルの時
次に30を超えた場合にどうか、をざっくりと見ていきます。
30を超えた時は、大きく下落する時(2018年12月など)もあれば、30を超えていても株価は下落しない時もある(2014年10月など)な、と見て取れます。
なので、30を超えたから株価が上がる下がる、と論じるのは月足で見る限りはちょっと違いそうに見えますね。
ただ、リーマン前は半年ほどの間で何度か30を超えるタイミングが来ています(2007年8月、2008年1月、2008年3月)。
なので、半年間に2度以上30を超えると大きく変化する可能性がある、とは言えそうです。
ただ、2015年近辺では月足で見て同様の動きがあるものの、大崩れはしていないようには見えます。下がってはいますが。
その辺り含めて更に細かく見る意味で、直近5年分を見てみます。
直近5年(2014年5月~2019年5月)
図は以下です。ローソク足は週足になります。

週足でVIXが50を超える
週足で見てVIXが50を超えている時期が2回ありますので、それぞれ見ていきます。
2015年8月
この5年間でVIXが最も高かったのは2015年8月で、53.5と50を超えています。
ここは少し掘り下げてみます。
時期としてはチャイナショックの少し後、でしょうか。
以下の記事で分析されていますが、米国の利上げも懸念されていたとあります。
株価もVIX最高値を付ける前の週から大きく(-5%ほど)下げてますね。
その株価が10月には一度落ちる前の値にタッチするものの、上下を繰り返して1年ほどはスムーズな立ち上がりに影響を与えているように見えます。
影響としては大きいですが、前の週にVIX最高値が28.4まで上がっていて、終値もほぼ同じなので、どんどん悪化していった、という感じでしょうか。
更にその前の週には16.3と至って普通な感じなので、変化は本当に急にやってきますね。
2018年2月
次に高かったのは2018年2月で、ちょうど仮想通貨バブルが弾けた頃でしょう。
ここでも前の週にはVIX最高値が上昇しています。
値は17.9ですが、更に前の週は12.2とかなり平穏だっただけに、週足で見ると急激に悪化した様子に見えますね。
週足最高値が50を超えた時についてまとめ
どちらの場合もVIX最高値が上昇する前の週から株価は下がっているのでVIXが先に動くと言い切れないのが少し残念です。
しかも50を超えると、以後の株価の動きはとても悪く、一度回復したと思いきやまた下がる、という動きをしてしまうように見えます。
これは逆に、それを活かしてトレードするのもありかもしれませんけどね・・
下げ幅が大きかった時にどうだったか?
逆に下げ幅が大きかった時にVIXはどうだったか?が気になるところです。
2018年12月にIVVの下落幅はかなり大きくなっていたのですけど、その時には40は超えていませんね。
前兆としても、30に近くなる週が10月に何度かあったくらいでした。
うむむ、難しい・・
日足となる、直近1年ではどうか?を見てみます。
直近1年(2018年5月~2019年5月)
データはこちらです。

まさにこの、2018年12月に日足で見て非常に大きくなっていますね。
とはいえやはり日足で見ても40は超えず、ただ株価下落とともに徐々に大きくなってきている様子が見て取れます。
とはいえ、その後株価が徐々に上がっていく時に、VIXは安定して下落していっている様子から、大きく下げた後に株価が回復している時の材料としては少し使えるかもしれません。
本ではどのように書かれているか
この手の指標を見るときに何度か参考にしている本(ウォールストリート・ジャーナル式 経済指標読み方のルール)でもVIXは書かれていますが、どうも、1日で20%以上の上昇を見せた時に翌朝に買って、取引終了前に売れば良い、というテクニックのようです。
日本の夜の間に取引できるなら使いこなせるかもしれませんね。
でも、ちょっと自分には厳しいように思いました。
まとめ
VIXについて、S&P500インデックス目線で見るとこうなるのだな、という理解は少し深まったかなと思いますが、とはいえ、VIXのみを見て株価がああだこうだと論じるのは難しそうに見えます。
まあ、仮に株価が今後どうなるかが完全にわかる指数だったら、世の中みんなそうしてますよね・・
とはいえ、一面は理解できたかなと思うので、情報を得た時に上記もいち側面として見ていこうと思います。
それではまた。